肩こりや腰痛がなかなか治らない理由
〜筋肉のかたまりと自律神経の深い関係〜
「毎日ストレッチしても肩こりが治らない」
「マッサージしてもまたすぐ元通り」
そんな悩みをお持ちではありませんか?
実はその原因、「筋硬症(きんこうしょう)」と呼ばれる状態かもしれません。
これは、筋肉がずっと緊張して固まり、元のやわらかさを失ってしまった状態のことです。
そして、その背景には「自律神経の乱れ」が深く関係しているんです。
私たちが感じる「こり」は、たいていは一時的な筋肉の疲れや血のめぐりの悪さによって起こります。
でも、それが長く続くと、筋肉はだんだん硬くなり、ゴムのようなやわらかさが失われて板のように固くなることがあります。
これが「筋硬症」です。
筋肉の中に老廃物がたまり、血流が悪くなり、体がうまく修復できなくなると、筋肉そのものが“変質”してしまうのです。
この状態になると、いくらマッサージしても、ちょっとやわらかくなっただけですぐにまた硬く戻ってしまいます。
ストレスが多かったり、忙しさが続いたりすると、体はずっと緊張状態になってしまい、「交感神経ばかりが働きすぎる」ようになります。すると、筋肉も自然とかたくなり、血の流れが悪くなって、コリや痛みを引き起こします。
この状態が長引くと、筋肉が硬く固まってしまい、筋硬症へと進んでしまうんです。
こんな状態、もしかして“筋硬症”かも?
・肩や腰の筋肉を押すと板みたいに硬い
・いつも同じところが重だるい、張っている
・ストレッチや体操をしても一時的にしか楽にならない
・温めると少し楽になるけれど、またすぐ戻る
あなたがもし、このような状態が続いているのであれば、筋肉がただ疲れているだけでなく、硬く固まって変質してしまっている可能性があります。
筋硬症の改善には“やわらかくする”だけでなく“神経のバランス”が大事になります。
こうした筋硬症の状態を改善するには、「もみほぐす」だけでは足りません。
大切なのは、自律神経のバランスを整えること。
つまり、緊張しっぱなしの交感神経を落ち着かせて、リラックスする副交感神経をしっかり働かせてあげることがカギなんです。
自宅でもできる!
筋肉と神経に効くケア
・腹式呼吸を意識してみる
お腹をふくらませながらゆっくり吸って、細く長く吐きます。1日5分だけでもOK。
副交感神経が働きやすくなります。
・お風呂でしっかり温まる
38~40度くらいのお湯に15分。体がほっとゆるみ、筋肉もやわらかくなります。
・リズムのある生活を心がける
決まった時間に起きて、なるべく同じ時間に寝る。自律神経が整いやすくなります。
・「深呼吸+肩回し」などの簡単ストレッチを取り入れる
ゆっくりした動きは神経にも筋肉にも効果的。
・背中や肩を温めながらマッサージ
筋肉の硬さは温めるとゆるみやすくなります。
「筋肉のかたさ」は、心と神経のSOSサインかもしれません。
筋肉のかたさやコリは、単なる体の問題ではなく、心と神経の疲れのあらわれかもしれません。
「最近ずっと気が張っているな」
「ちゃんと休んでいるのに疲れがとれない」
そんなときこそ、自律神経の乱れが体に現れているサイン。自分の体に耳をすませて、「がんばりすぎていないか」を見直してみてください。
筋肉をやわらかくすることは、心をやわらかくすることにもつながります。
毎日のちょっとしたケアが、あなたの体と心を守ってくれるはずです。