なんだか最近、呼吸が浅いあなた。
深く吸いたいのに、胸のあたりが詰まった感じがして、空気が入ってこない、そんな風に感じている方、多いのではないでしょうか。
特に主婦の方や子育て中のママにとっては、朝から晩まで気を張り続けている日々の中で、「自分の呼吸」なんて気にする暇もないかもしれません。
でも、そういうのって、ふとした瞬間に気づくんですよね。
「私、ちゃんと息してるのかな?」
東洋医学では、呼吸の浅さは“心の状態”と深く関わっていると考えられています。
たとえば、人に気を使いすぎていたり、ずっと我慢していたり、モヤモヤを飲み込んでいたり。そういう状態が続くと、心の中にある“気”が胸のあたりで滞り、呼吸がだんだん浅くなってしまうんです。
たとえば表情では笑っていても、心の中では泣いているようなとき。誰にも弱音を吐けないまま、疲れを飲み込んで毎日をまわしていると、いつの間にか「ちゃんと息を吐くこと」すらできなくなっていたりします。
そんなときは、たった2分、自分の手を使って“呼吸を整える時間”を作ってみてください。
使うのはふたつのツボです。
ひとつ目、【内関(ないかん)】
・手のひらを上に向けて、手首のシワから指3本分上がった、腕の内側の真ん中あたり。
・ここを、反対の親指でゆっくり強目に5秒かけて押し、5秒で離す。
・これを何回か繰り返していると、だんだん胸の緊張がゆるんで、自然と吐く息が長くなってきます。
・内関は、不安やイライラがたまりやすい人にとって、気持ちを落ち着けてくれるツボなんです。
もうひとつは【檀中(だんちゅう)】
・胸の真ん中のツボ、胸骨の中央あたりにあります。
・ここは“気がつかえる場所”とも言われていて、感情が詰まりやすいところ。
・ここには押すのではなく、左の手のひらをやさしく当ててみてください。
・ただ手を置いて、深呼吸するだけ。
・それだけで、胸がほっとゆるむのを感じる人も多いんです。
呼吸って、がんばって吸うものじゃないんです。むしろ「ちゃんと吐く」ことが、自然に吸えることにつながっていきます。
毎日の家事や子育てで、気を張ってばかりのあなたにこそ、「自分をいたわる呼吸の時間」をもってほしい。ツボを押すのは、自分を責める手ではなく、自分にやさしく触れる手なんです。
息が浅いな、と感じたら、ちょっと立ち止まって、自分の胸に手を当ててみてください。それは、誰にも頼らずがんばっているあなた自身に、そっと「大丈夫だよ」と伝える行為でもあります。