「寝る前のスマホはダメ?」
わかってる。
けど、やめられない。
そんな声を、私たちは毎日のように耳にします。
もはやスマホは目覚まし時計であり、読書灯であり、日記帳であり、誰かとのささやかなつながりです。
これを「悪」と切り捨てるには、現代の夜はあまりにも複雑すぎます。
では、どうすればいいのでしょう?
鍵になるのは、「スマホをやめる」ではなく、「スマホとの関係性を変える」ことです。
たとえば、画面の明るさや色温度。
スマホの光は、昼間の太陽のように脳を目覚めさせてしまいます。
でも、夜モードに切り替えれば、暖色系の光になり、脳の緊張を和らげることができます。
アプリや設定で夜間自動切替ができる機種も多く、これは「寝る準備モード」に入る合図としても使えます。
もうひとつのコツは、「何を見ているか」。
スリリングな動画や、刺激の強いSNSは、心をざわつかせます。
一方で、穏やかな音楽アプリや、優しいナレーションのオーディオブック、寝落ち用の環境音などは、むしろ睡眠の導入を助けてくれます。
「スマホ=敵」ではなく、「夜の心の助っ人」に変える視点です。
さらに、“スマホを置く時間”をつくるのもひとつの手。
「布団に入ってから30分はスマホOK。でもそれ以降は、枕元の代わりに別の場所へ置く」
といった“ゆるルール”を決めておくと、罪悪感も減り、自律神経も整いやすくなります。
結局のところ、私たちが求めているのは、「スマホなしの生活」ではなく、「安心して眠れる夜」です。
便利さと引き換えに失いかけた休息を、少しだけ取り戻す。
それはスマホを手放すことではなく、スマホを眠りの味方にすることから始まるのかもしれません。