最近、肌荒れが続いている?
薬を塗っても一時的によくなるけれど、また同じ場所にぶり返す…
そんな皮膚炎に悩む方は多いと思います。
実は、こうした慢性的な皮膚トラブルは、東洋医学では「体の中のアンバランスが肌に現れたサイン」として考えます。
とくに重要なのが「肝(かん)」の働きです。
東洋医学でいう肝は、感情やストレスの調整、血液の流れのコントロール、自律神経のバランス維持などを担当しています。
子育てや家事、仕事に追われ、怒りやイライラ、寝不足が重なると、肝が疲れて“気”の流れが滞りやすくなります。
この滞りが熱を生み出し、それが皮膚に炎症として現れるのです。
たとえば、「夕方になると顔が赤くなってかゆい」「生理前に決まって湿疹が出る」「ストレスを感じると肌がピリピリする」といった症状は、肝の不調からくる典型的なパターンです。
また、肝は血を貯める臓でもあるため、血流が悪くなると肌が乾燥しやすくなり、外部刺激に弱くなって湿疹やかゆみが起きやすくなります。
さらに、自律神経の乱れも皮膚炎に大きく関係します。
ストレスが続くと交感神経が優位になり、血管が収縮して肌の細胞に栄養や酸素が届きにくくなります。
すると、肌のバリア機能が低下し、ちょっとした刺激でもかぶれたりかゆくなったりするのです。
つまり、皮膚炎は「肌の問題」ではなく、「心と体のバランスの乱れが肌に現れている現象」と言えます。
薬を塗ることも大切ですが、それだけでは根本的な解決にはなりません。
ストレスをためない生活、夜ふかしを避ける、スマホを早めに切る、食事に温かいものを取り入れる、そんな小さな習慣が、肝の機能と自律神経の安定につながり、結果として肌も整っていきます。
肌は、心と体からのメッセージ。
無理を重ねず、「ちょっと立ち止まってね」という合図かもしれません。
まずは一杯のお茶でも飲んで、ホッとひと息つくことから始めてみませんか?