マインドフルネス瞑想法と自律神経
朝から晩まで、家事に育児に仕事にと、気づけば息をつく間もなく一日が終わっている…。
そんな日常のなかで「疲れが抜けない」「気持ちがいつも落ち着かない」と感じることはありませんか? その原因のひとつとして、自律神経の乱れが考えられます。
自律神経とは、私たちの体のリズムを無意識に調整してくれている神経のこと。
交感神経(=活動モード)と副交感神経(=休息モード)がバランスよく働いてこそ、私たちは健康に過ごすことができます。
でも現代社会では、交感神経ばかりが優位になりがちで、心も体も常に緊張した状態に傾いてしまうのです。
そんな時、やさしくブレーキをかけてくれるのが「マインドフルネス瞑想」です。
マインドフルネスとは、「今、この瞬間」に意識を向けること。
過去の後悔や未来の不安ではなく、「今、ここ」にある呼吸や感覚、音に静かに注意を向けていく練習です。
たとえば、目を閉じて、ただゆっくりと呼吸に意識を向けてみる。
「吸っているな」「吐いているな」と、評価せずにそのまま感じとる。
思考があちこちに飛んでしまっても、「あ、考えごとしてたな」と気づいて、また呼吸に戻る。それだけでも十分なのです。
このように意識を“今ここ”に戻す行為には、副交感神経を穏やかに活性化する効果があります。
実際の研究でも、マインドフルネス瞑想を続けることで、脳の不安やストレスに関わる「扁桃体」の活動が抑えられ、心の安定を保つ「前頭前野」の働きが高まることがわかっています。つまり、意識をコントロールすることで、自律神経にも静かな変化が起きるのです。
ポイントは、うまくやろうとしないこと。
リラックスしようとがんばるのではなく、ただ“今ここ”にある自分の呼吸や身体感覚に気づいていく。
それが、結果的に体と心の調和を取り戻していくことにつながります。
「なんだかバタバタしてるな」と感じたときは、1分でも構いません。
目を閉じて、呼吸を感じてみてください。その静かな時間が、自律神経のバランスを整える、やさしい第一歩になるかもしれません。