副腎疲労と自律神経の関係
現代人の多くが抱える
「なんとなくしんどい」
「朝がつらい」
「休んでも疲れが抜けない」
といった不調。
その背景には、自律神経の乱れだけでなく、
「副腎疲労(アドレナル・ファティーグ)」
という言葉で語られる状態が関わっている可能性があります。
これは、医学的にはまだ議論の余地がある概念ではありますが、実際に多くの人がその症状に苦しみ、治療やセルフケアの対象となっています。
副腎は、私たちの腎臓の上にちょこんとのっている小さな臓器ですが、生命活動にとって非常に重要な働きを担っています。
特にストレスに対する防御反応、いわゆる「ストレスホルモン」として知られるコルチゾールを分泌する役割があります。
ストレスを感じると、脳の視床下部―下垂体―副腎皮質系(HPA軸)が反応し、副腎からコルチゾールが分泌されます。
これは、心拍数や血糖値を上げたり、炎症を抑えたりするなど、体を「戦うか逃げるか(fight or flight)」モードに導く重要な反応です。
しかし、慢性的なストレス状態が続くと、コルチゾールの分泌が追いつかなくなったり、逆に分泌されすぎて調整が効かなくなったりします。
これがいわゆる「副腎疲労」の状態です。
このとき、朝起きてもぼんやりして活力が出ず、日中もだるさが続く一方で、夜になると妙に目が冴えて眠れない…そんな状態になることがよくあります。
ここで密接に関わってくるのが、自律神経の働きです。
自律神経は、交感神経と副交感神経から成り、体内のリズムを調整しています。
交感神経は活動モード、副交感神経は休息・回復モードを担っていますが、ストレスが続くと交感神経優位の状態が長引きます。
副腎が常にコルチゾールを出し続けるよう促される結果、副腎自体のリズムも乱れ、自律神経のバランスも崩れていくのです。
副腎疲労と自律神経の関係は、まさに「ストレスという波をどう乗りこなすか」という問いに直結しています。
副腎が過労状態になると、交感神経と副交感神経のスイッチもうまく切り替えられなくなり、眠っても疲れが取れない、集中力が続かない、些細なことでイライラするといった不調が表面化します。
つまり、副腎の健康は、自律神経の健やかなリズムと深く結びついており、どちらも「無理を続けてきた体」が発するSOSのようなものです。
自律神経を整える生活習慣――例えば、十分な睡眠、軽い運動、深い呼吸、規則正しい食事――が、副腎をいたわることにもつながります。
逆に、時間に追われ、感情を押し殺し、常に「がんばりすぎる」状態を続けていると、自律神経も副腎も回復する時間を奪われてしまいます。
私たちの心と体は、思っている以上に繊細で、バランスをとりながら日々を過ごしています。
「最近ずっと疲れてるな」と感じたとき、それは自律神経からのささやきであり、副腎が「そろそろ休ませて」とつぶやいているサインかもしれません。
───────────────────
いかがでしたか?
あなた自身やご家族、大切な方の心身のお悩みのお役に立てたらと思います。
次回もお楽しみ!
https://www.instagram.com/junichi.yajima_ptrab?igsh=OGxnbHllczZ6bmg3&utm_source=qr
Threads
https://www.threads.net/@junichi.yajima_ptrab?igshid=NTc4MTIwNjQ2YQ==
X
https://x.com/junichi_yajima?s=21&t=2_g75GPnTFEJ14Zr2oWWBA
YouTube
https://youtube.com/@junichiyajima?si=GYj0NePSLRPsNPS7