「ファスティング」が自律神経に与える影響
私たちはまず、“食べないこと”が身体にもたらす変化を丁寧に見つめ直す必要があります。
ファスティングとは、一定期間、固形物の摂取を控え、消化器官を休ませることで、身体と心をリセットしようとする行為です。
近年はダイエットや美容法として注目されていますが、実はそれ以上に、自律神経のバランスを整えるための有効なアプローチとしても注目されています。
自律神経とは、私たちの意思とは無関係に、呼吸、心拍、体温調整、内臓の働きなどをコントロールする神経系です。
この自律神経には「交感神経」と「副交感神経」の2つがあり、前者は活動や緊張を司り、後者は休息や回復を促す働きを担っています。
現代人は多忙な日常やストレスの影響で、交感神経が過剰に働きがちになり、自律神経のバランスが崩れやすくなっています。
その結果、慢性的な疲労や不眠、イライラ、内臓機能の不調など、さまざまな不調が表れやすくなるのです。
ファスティングを行うことで、まず明確に現れるのが“消化に使うエネルギーの軽減”です。
食べ物の消化には多くの血流や酵素が動員され、三度の食事ごとに内臓はフル稼働しています。
食事を一時的に休むことでその負担が減り、副交感神経が働きやすい状態が自然と整っていきます。
また、空腹状態が続くと「オートファジー」と呼ばれる、細胞内の老廃物を分解・再利用する自己浄化作用が活性化します。
これは身体だけでなく、脳や神経系にも穏やかな刺激を与え、自律神経の過敏さを和らげるきっかけにもなります。
さらに、食から一時的に距離を置くことで、自分が本当に何を欲しているのか、どんな味を求めているのかという“感覚”が研ぎ澄まされていきます。
普段は気にも留めない味覚や香りに敏感になり、食事の質への意識が変わっていく過程は、精神的な安定や自己調整力の回復にもつながります。
このような心身の静かな再調整が、自律神経のバランスを取り戻す大きな助けとなってくれるのです。
とはいえ、すべての人にファスティングが合うとは限りません。
体質や体調、既往歴によっては控えるべき場合もあります。
だからこそ、行う際には無理をせず、自分の身体の声に耳を傾けることが大切です。
ちなみに私自身も、仕事の忙しさに合わせて食事量を調整する際には、ビタミンCやビタミンB群などの水溶性ビタミンを意識的に摂るようにしています。
これは身体に必要な栄養を保ちながら、安全に自律神経の回復を促すための一工夫です。
現代社会は、食べすぎと緊張の両方に偏りやすい環境です。
その中で、ファスティングは単なる減量法ではなく、自律神経という繊細なバランス機構に静かに寄り添う養生法です。
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いかがでしたか?
あなた自身やご家族、大切な方の心身のお悩みのお役に立てたらと思います。
次回もお楽しみ!
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